100辞書・辞典一括検索

JLogos

20

大篠村
【おおしのむら】


(近代)明治22年~昭和31年の長岡郡の自治体名。東に吾岡山,西に船岡山の孤立峰を中心に広がる物部川下流右岸の堆積地に位置する。大埇(おおそね)・篠原・妙見の3か村が合併して成立。大埇・篠原・明見の3大字を編成。地名は合併3か村のうち大埇の大,篠原の篠をとって命名。明治23年役場を大埇の稲吉字姫ノ倉に置く。同24年の戸数575・人口2,840(男1,502・女1,338),厩275,船43,学校3。「大篠村誌」によれば,明治43年調の田4,078反・畑96反・桑畑465反・果樹畑6反,計4,645反,山林282反。明治43年高知~後免間に土佐電鉄が通じ,並行して南に国道55号・県道田村高須線があり,これらと結んで県道浜改田後免線が南北に縦走する。交通の要衝地であるばかりでなく,長岡郡の政治・経済の中心地となる。昭和7年頃の資料によれば,面積0.43方里,耕地465町,戸数587・人口3,111,灌漑の便がよく,米の収穫高18万1,606円,副業に養蚕・養鶏が行われ,繭4万3,357円・鶏卵8,842円(県誌)。同11年の生産総額81万4,989円うち農産42万881円・畜産1万1,944円・工産38万2,164円,主要生産品は生糸・米・繭(経済一覧)。明治39年大埇・篠原・明見の3校を合併して大篠尋常高等小学校を創立。昭和22年には香長中学校が大埇地区に誕生(南国市史)。大正12年8月国天然記念物に指定された土佐オナガトリの原産は当村で,尾の長さは10mを超す。昭和31年香長村の一部となり,3大字は同村の大字に継承。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7204427