烏川
【からすがわ】

２級河川香宗川水系の支川。高知平野東部，香美郡野市町を北から南に貫流する小河川。流路延長8.5km。野市町東佐古の北部，同郡土佐山田町との行政界をなす鳥越峠付近から野市台地上を南流し，香美郡吉川村で香宗川河口部に合流する。小流のため，台地全域の開田化は，江戸期，野中兼山の主導した用水路掘削による開発によったが，上流部佐古地区の小低地は，この小流の灌漑利用があったため古代から居住空間化が進み，古窯跡，紀夏井隠棲地の伝承もあるほか，条里制地割遺構もわずかながらみられる。野中兼山の野市台地開発の際には，烏川の流路改修も行われたといわれる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7205065