広見川
【ひろみがわ】

１級河川渡川水系の支川。愛媛県北宇和郡に流域をもち，幡多郡西土佐村江川崎で四万十(しまんと)川（渡川）右岸に合流する。流路延長56.3km。流域の大部分は地質学上の四万十帯に属している。愛媛県北宇和郡日吉村東部から南部にかけて広がる県境山地の高研山（1,058m）や長山（939.7m）などを水源とし，小支流を入れながら西流し，愛媛県広見町新田で同県三間町北部や広見町西部に水源を有する三間川と合流し吉野川となり，松野町を蛇行南流し，西土佐村江川崎で四万十川本流に合流する。流域の降水状況は年平均約1,920mmに達するが，降水量は四万十川流域全体からみると，最も少ない地域で，鬼北盆地などでは各所に灌漑用の溜池がみられる。広見川・三間川・吉野川の流域は，愛媛県北宇和郡三間町・広見町・松野町・日吉村の３町１村と高知県幡多郡西土佐村にまたがり，面積は348.4km(^2)で約25％にあたる87.8km(^2)が平地である。渡川水系としては，特に平地に恵まれた支流である。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7207865