綾野
【あやの】

旧国名:豊前

祓川中流右岸の洪積台地に位置する。地名は，「豊前遠鏡」によれば，地内の東部は「和名抄」の築城郡綾幡郷で，はじめ綾幡野と称していたが略されて綾野になったという。村誌は北隣の下原と南隣の上原(かんばる)との中間に起こったので間野と称したが綾野に転訛したとしている。しかし，綾野は字義通り綾織物業の里の意で，早くから開けた土地であり，のちに上原・下原が成立したともみられる。「原」はハルで開墾地を意味する。地内には鋳物師屋敷・町人田・上市・代官給・蔵ノ町・御所園・内屋敷など特色ある字名が多い。
【綾野村(近世)】　江戸期～明治22年の村名。
【綾野(近代)】　明治22年～現在の大字名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7208960