100辞書・辞典一括検索

JLogos

14

清水谷
【きよみずだに】


小城(おぎ)町にある谷。当町東部を流れる祇園(ぎおん)川の上流域で支流の清水川に沿う谷。天山山地から南に広がる3つの谷の1つで,谷の入口に当たる左岸の丘陵上には千葉城址がある。上流域には75mの清水の滝がある。これは明暦3年,領主鍋島直能が珠簾水の3字を書き送ったことから,珠簾(たますだれ)の滝ともいう(小城郡誌)。その下にある清水観音は霊場として知られ,土用丑の日などは,特に滝みそぎをする者や参詣者が多い。滝みそぎは,藩士倉永清雄が藩主鍋島宗教の大患平癒祈願のため滝に打たれたことから広まったといい,滝のそばにはこの祈願のため凍死した清雄の碑(天明7年建立)がある。また天台宗清水山見滝寺では延暦22年の開基で,一千坊の大伽藍を有していたが,元亀~天正年間頃の戦乱で消失したといわれる。その後,寛永4年佐賀藩主鍋島勝茂が再興し,山村50余町を寄付した。今も滝にうたれにくる信者も少なくなく,周辺には鯉料理を専門とする店,旅館も並び,観光地としても知られる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7216752