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松島
【まつしま】


東松浦郡鎮西(ちんぜい)町,東松浦半島西北端波戸(はど)岬から北へ3.3km隔てた玄界灘の離島。周囲3,750m,面積0.63km(^2),人口135(昭和50年)。全島がエジリン輝石粗面岩よりなる。周囲が断崖絶壁をなし,景観的にはすぐれ玄海国定公園の一部をなすが,耕地は約21haと乏しく漁業が産業の中心をなす。「元禄国絵図」に「かゝら島の西南に近く松島あり,長さ十五町横三町十二間あり……」と記されている。島の開発は安政年間に加唐島の宗一族の貞八が,娘のウメ女とともに来住したのに始まる。その後,時折イカ釣りにきていた黒島(現在長崎県佐世保市)の漁師福蔵がウメ女の養子になり,福蔵は故郷から高平(みさく),坂口(じきぞう),中尾(伊右衛門)を招き,土地を分与し開墾した(鎮西町史)。黒島からの移住者が,すべてカトリック信者であったため,キリスト教禁教時代は隠れた信仰を続けた。その解禁後は民家に教会を設け,信仰を続けたが,大正14年ごろフランス人G.ブルトン神父が現在地に教会を建設し,全島民がいっそう信仰に励むようになった。昭和32年電灯がともり,当県唯一の電灯のない島の名を返上し,同35年には電話も通じた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7218701