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一支国
【いきのくに】


(古代)3世紀に見える国名。「魏志倭人伝」に「また南一海を渡る千余里,名づけて瀚海という。一大国に至る。官をまた卑狗(ひこ)といい,副を卑奴母離(ひなもり)という。方三百里ばかり。竹木・叢林多く,三千ばかりの家あり。やや田地あり,田を耕せどもなお食するに足らず,また南北に市糴す」と見える。一大国は一支(壱岐(いき))国の誤りとみられ,当国は対馬国から千余里で,さらに当国から末盧(まつら)国まで千余里という。一支国には卑狗という大官,卑奴母離という副官がいた。四方は300里ばかりで竹木・叢林が多く,3,000ばかりの家がある。やや田地があり,田を耕してもなお食べるには足らず,また南北に行き米を買うなどする,と記されている(原漢文,岩波文庫)。推古15年聖徳太子が隋に小野妹子を派遣したが,「隋書倭国伝」によれば,大業4年(推古16年)隋がその返礼として派遣した使者の通路として「百済を度り,行きて竹島に至り,南に羅国を望み,都斯麻国を経,迥かに大海の中にあり。また東して一支国に至り,また竹斯国に至り,また東して秦王国に至る」と見える(同前)。なお,「翰苑」巻30に所収された「魏略」逸文,「梁書」諸夷伝・倭にも一支国が見えるが(同前),その記述は「魏志倭人伝」とほとんど同様である。現在の壱岐島に比定される。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7219371