大村駅
【おおむらえき】
国鉄大村線の駅名。所在地は大村市武部町261の2。明治31年1月20日,民営の九州鉄道長崎線が早岐(はいき)から大村まで開通すると同時に開業。開駅に先立ち,明治30年6月10日大村歩兵第46連隊が設置されていたが,大村駅も軍都大村にふさわしくつくられた。敷地は9,663坪の広さで,県内では長崎・早岐・佐世保・浦上駅に次ぎ5位となっている。第2次大戦前には駅の待合室も軍人将校用が設けられ,駅前広場(面積1,256m(^2)),駅前階段が兵員の集合指揮のため構築された。現在の駅舎は大正元年8月17日改築以来のものである。駅前広場に構内人力車が大正4年4月,構内自動車が昭和5年3月営業を始めた。大村が終点であった明治31年1月から,大草~長与間に鉄道が開通する同年11月までは,大村から長崎への旅客は大村湾を船で渡っていた。大村駅は終点駅から中間駅,さらにローカル駅へと変化していくのである。年間の乗車客数の変遷をみると,大正10年28万7,051人,昭和6年35万7,874人,同30年108万5,115人(うち定期客68万3,250人で63%),同39年119万1,856人(うち定期客92万9,621人で78%),同60年68万4,000人(うち定期客39万9,000人で58%)となっている。沿線の通勤通学に利用されたこの駅も,自動車交通が盛んになるにつれ,年々利用が減少している。駅員数昭和25年31人,同55年28人。
| KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7219932 |