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大村湾県立公園
【おおむらわんけんりつこうえん】


大村湾の沿岸部および周辺の丘陵山地を区域とする県立公園。指定は昭和41年1月。大村市・佐世保市,西彼杵(にしそのぎ)郡琴海町・西彼(せいひ)町・時津町・多良見町・長与町,東彼杵(ひがしそのぎ)郡川棚町・東彼杵町の2市7町にまたがり,面積は2,235ha。大村湾は東西12km,南北25kmの広大な湖水状の内陸湾で,半島・海峡・沈降海岸・島嶼・微小多島など多様な海岸地形に恵まれる。特に湾北部の地学景観は変化に富む。針尾(伊ノ浦)瀬戸は,溶岩台地である針尾島によってつくられた海峡で,急潮が渦巻く。西海橋を中心とした一帯45haは特別地域に指定され,春秋の観潮時を中心に訪れる人は年間130万人を超える。なお,この一帯は西海橋公園としても指定され,自然公園と都市公園の性格をあわせもつ特異な存在である。江上浦は湾入が6kmにも及ぶ沈降海岸で,清澄な水面はシイ・カシなど照葉樹林の緑を映している。小串湾にS字状に突出した大崎半島は,安山岩類の溶岩円頂丘のほか,海崖・海洞・海棚など多彩な海岸景観を有する。半島一帯はクロマツ林に覆われ,国民宿舎・クジャク園などを中心として国民休養地に指定されている。一部には温泉も湧出する。大串湾を中心とする沈降海岸は微小多島を生じ,独特の景観をもつ。溺谷地形は湾西部の形上湾・村松湾,湾奥部の津水湾にもみられ,それぞれ島嶼群を有している。湾南部の内陸部には,長崎火山の一部である琴ノ尾岳・鳴鼓岳山塊があり,大村湾を眼下にした絶好の自然展望地となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7219946