100辞書・辞典一括検索

JLogos

29

早岐瀬戸
【はいきせと】


佐世保市本土と針尾島との間にある瀬戸。長さ11km,平均幅125m。北部に架かる観潮橋付近は,特に幅が20~30mと狭く,干満の差により急流となる。水深は全域で4m前後と浅い。江戸期以降,大手原・生島など各地で干拓が行われ,現在では,瀬戸の幅はほぼ均等化されている。「肥前国風土記」に「速来の門,郡の西北に在り。この門の潮の来るは,東に潮落つれば,西にわき昇る。わく響は雷の音に同じ。因りて速来の門という」とあり,この瀬戸の名の由来が記されている(速来の門は,針尾瀬戸であるとの説もある)。この瀬戸には,古来1本の橋もなかったが,昭和11年にはじめて手巻き開閉式の観潮橋が架けられ,同28年,現在の形の橋が完成した。同47年針尾橋が,同59年新針尾橋が,それぞれ瀬戸の南部と北部に開通し,観潮橋とともに佐世保市南部の交通要路をつなぐ架橋となっている。観潮橋付近は,400年前からの伝統的市である早岐茶市が開かれる場所でもあり,旧早岐中心街もここにある。瀬戸の中ほどの沿岸には,佐世保アツギナイロンの工場があり,南端には,針尾島側に針尾工業団地が造成され,企業用地としての利用が期待されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7222265