100辞書・辞典一括検索

JLogos

37

福江
【ふくえ】


旧国名:肥前

古くは深江と書き,「ふかえ」と称した。福江と書いて「ふかえ」と読む例もあり,「元禄郷帳」では福江を「フカエ」と訓じ,また大正期の地図にも福江と書いて「フカエ」とふりがなをふった例がある。五島列島の福江島東部地域と田ノ浦瀬戸を挟んだ久賀島のほか,椛島・赤島・黄島などの島々や男女群島からなる。地名の由来は,深く入り込んだ入江から深江となり,寛永15年石田陣屋の完成にあたり福江としたという。地内には縄文前期の江湖海底貝塚,明星院の白鳳仏である国重文の銅造如来立像,倭寇の遺跡という六角井と明人堂,県史跡の江戸期の石田城跡がある。中世,宇久氏(のち五島氏)は盛定の時に岐宿(きしく)を経て当地に根拠を置き,福江川(江川)に臨む地に江川城を築き(大永6年ともいう),盛定以後純定・純尭・純玄・玄雅・盛利と6代にわたる慶長19年までの80余年の間,宇久氏の居城であった。同年8月江川城は全焼し,五島氏は幕末に石田城(福江城)を築くまで陣屋住いに甘んじることになった。現在江川城跡には民家が立ち並んでいて遺構は残っておらず,わずかに本丸跡の地に城内という字名が残るのみである。
福江城下(近世)】 江戸期の五島藩の城下町名。
福江村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
福江村(近代)】 明治22年~大正8年の南松浦郡の自治体名。
福江町(近代)】 大正8年~昭和29年の南松浦郡の自治体名。
福江市(近代)】 昭和29年~現在の自治体名。
福江郷(近代)】 年不詳~昭和29年の行政区名。
福江町(近代)】 昭和29年~現在の福江市の町名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7222620