三会
【みえ】

旧国名:肥前

島原半島の東部，雲仙山系北東麓の火山性扇状台地（三会原）に位置し，北東は島原湾に臨む。地形の大部分は丘陵をなし，畑作が主。北から金洗川・中野川・今井川・寺中川・西川・中河川が島原湾に注ぎ，河口部に水田地帯が広がる。地名の由来は，古くは「三江」とも書き，金洗川・西川・中河川の川尻に３つの入江があるところから生まれたと伝えられる（三会村物語）。礫石原(くれいしばる)遺跡を始めとする旧石器時代～弥生時代の遺跡が分布し，礫石原遺跡には縄文時代の環状石組遺構，弥生時代の景華園遺跡には支石墓撑石がある。寺中名字城ノ鼻には中世の古城址（寺中城・北浦城という）があり，有馬氏の家臣和泉氏の居城であったと伝えられる。その近くの字寺中に西塔(さいとう)という地名があり，「山法師の墓」といわれている墓があるが，宝永年間の記録では「有馬修理太夫（晴信）の伯父の墓と申伝ふ」とある。古代から中世にかけて温泉山満明寺を中心として栄えた山岳仏教の名残であると思われる。
【三会(中世)】　南北朝期から見える地名。
【三会村(近世)】　江戸期～明治22年の村名。
【三会村(近代)】　明治22年～昭和30年の南高来郡の自治体名。
【三会(近代)】　昭和30～49年の島原市の地区名。
【三会町(近代)】　昭和49年～現在の島原市の町名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7222958