軍ケ浦
【いくさがうら】

天草郡天草町の南端，同町大江の羊角湾の湾口にある浦。14世紀頃からこの地域の良港の１つとして知られていた。中国明代の類書「図書編」巻50（欽定四庫全書）には「一国撒介烏刺」と見えている。昭和29年第１種漁港に指定。タイ・イカ・アジ・サバ・スズキ・タコなどがとれる。軍ケ浦は近世には薩摩藩の船の水や薪などの補給地であった。弘化２年６月３日津波により漁民多数が溺死し，昭和34年９月17日には台風により大きな被害が出た。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7223596