長野
【ながの】

旧国名:豊後

永野とも書く。長野の地域の特定は困難。現在の玖珠(くす)町大字塚脇の中に，字長野原がある。平安末期の「大友文書」に見える清原氏の所領大隈上・下村（帆足郷）に接する。数年前周溝墓が発見され，玖珠郡開発の伝説的人物である清原正高を祀る船岡八幡社も字船岡山に鎮座し，長野原には玖珠郡３郷を分割する起点となったといわれる郷割石（郷割地蔵ともいう）がある。玖珠郡開発の中心地と思われ，これを中心として東の方は速見(はやみ)郡（山香町）・大分郡（湯布院(ゆふいん)町），南東部は直入(なおいり)郡（久住町），南西部は熊本県阿蘇郡（南小国町）と接していたらしい。現在の玖珠町の一部で，大部分は九重町と考えられる。
【永野郷(古代)】　平安期に見える郷名。
【長野荘(中世)】　鎌倉期～戦国期に見える荘園名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7232230