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由布
【ゆふ】


旧国名:豊後

柚富郷とも称し(豊後国風土記),由布荘(後白河院庁下文案)・由布院(弘安図田帳)ともいう。別府湾の西方,由布(ゆふ)岳・硫黄(いおう)山・立石(たていし)山・福万(ふくま)山・カルト山・野稲(のいね)山などに囲まれ,大分川上流の由布院盆地一帯に位置すると考えられる。「箋釈豊後風土記」には「往昔城院を置く地なり」とし,「栲樹多く生え,常に栲皮を取り,もって木棉を造る。因みに柚富郷という」と由来を記している。なお由布岳は,「少女らが放(はなり)の髪を木棉(ゆふ)の山雲なたなびき家のあたり見む」と「万葉集」巻7に歌われた山である。
由布郷(古代)】 平安期に見える郷名。
由布院(中世)】 鎌倉期~戦国期に見える院名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7234043