北方
【きたかた】

旧国名:日向
五ケ瀬川中流域に位置し,北には九州山地の中央部を形成する標高1,000m以上の山々が連なる。地名の由来は,県(延岡)の北方にあたることによると考えられるが,不詳。西端にそびえる比叡山は日向金剛と呼ばれて威容を誇り,山腹にはその名の通り畳が何枚も敷けるほど広い千畳岩がある。千畳岩から見下ろすと千尋の谷で,綱ノ瀬川が川床を縫って流れ,対岸に矢筈岳(日之影町)がそびえる。この峡谷と山岳は比叡山および矢筈岳の名で昭和14年国名勝に指定された。風光秀麗の地として訪れる人も多い。近年は道路開発によりさらに上流の鹿川渓谷を訪れる人も多く,夏のキャンプ地として脚光を浴びている。なお,近くの大崩山は登山者のメッカであり,周辺の山岳地帯は国特別天然記念物カモシカの生息地である。
【北方村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
【北方村(近代)】 明治22年~昭和45年の東臼杵郡の自治体名。
【北方町(近代)】 昭和45年~現在の東臼杵郡の自治体名。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7234833 |




