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五葉岳
【ごようだけ】


東臼杵(ひがしうすき)郡北川町と西臼杵郡日之影町の境界に位置する大崩(おおくえ)山群の山。標高1,569.7m。祖母傾国定公園に属する。北は兜巾(とつきん)岳(1,488m)・夏木山(1,386.0m),南はお姫山(1,571m)・鹿納山(1,567m)・大崩山(1,643.3m)に連なる。山頂はやや突出するが標高1,200mから上部は緩斜面で,それ以下の山腹は極めて急峻に落ち込み,見立渓谷や祝子(ほうり)川渓谷に至る。特に北部兜巾岳,西部洞岳(どうだき)(1,242m)付近は数百mの断崖を形成している。兜巾岳の西下部,標高約1,000m地点は見立鉱山本坑のあったところで,南西部大吹谷とともに,錫鉱のほか多種の金属鉱物を産出した。江戸期盛んに掘られた大吹谷最奥部には元禄墓地・女郎屋舗などの地名が残っている。地質は山頂部を中心に古生代二畳紀のチャート・砂岩・石灰岩などからなり,一部に祖母火山起源の流紋岩が載る。しかし,下部は大崩山に連なる花崗岩が広く貫入しており,鉱床は前記石灰岩と花崗岩が接触変成した部分に発達している。北部急斜面には祖母火山岩に先立つ見立礫層が載っている。山頂からの眺望は優れるが,登山は日之影町見立集落からも上祝子集落からも相当の難コースになる。山名は山頂から尾根にかけての五葉松の植生に由来すると考えられるが,五葉岳山頂にはみられず,隣接するお姫山に大樹がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7235037