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境川
【さかいがわ】


大淀川の1次支流で1級河川。青井岳(563.2m)付近の北諸県(きたもろかた)郡山之口町内の山地を源流域とし,宮崎郡田野町との境をなして北流し,東諸県郡高岡町内山の山下で本流に注ぐ。本流との合流点山下まで,全流域がV字谷で谷底平野の発達はみられない。植生は豊かで,とりわけ中流域の右岸高房(たかふさ)山(454m)一帯の照葉樹林は見事で,学術的にも注目されている。古くは天神川と呼んだこの川を「日向地誌」は「急流激湍多ク舟筏通セス」と書いているが,この急流にして勢いの激しい早瀬が,まわりの樹々とともに景勝をつくっている。青井岳渓谷は有名で,山之口町営の国民宿舎を中心に,渓流を巧みに取り込んだ庭園や,キャンプ場などの施設があり,訪れる行楽客も多い。下流域には高岡町営のやな川キャンプ場がある。昭和56年開設の新しい施設だが,淵の水に照葉樹林が映える美しいキャンプ場である。境川が大淀川の支流であることが人々に知られたのは,昭和41年青井岳キャンプ場で発生した遭難事故であった。突然の増水の犠牲となった中学生たちの霊を慰める菩薩像が河畔にある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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