赤崎
【あかさき】

石垣島西部,名蔵湾の北岸に位置する岬。石垣市崎枝集落の南西約1kmにある。方言でもアカサキという。名称は,周辺の土壌が赤土なので赤崎と呼ばれたといい,また御神(おがん)崎のブナリのツブルイシ(姉の頭石)伝説では,切られた首の血でこの岬が赤く染まったため赤崎と称するとも伝える。咸豊2年(1852)のアメリカの苦力貿易船ロバート・バウン号の事件で,石垣島に上陸した中国人380人は最初赤崎に家を造って住んだが,のちに蔵元から遠いことを理由に富崎に移された。岬先端には古生代トムル層の緑色片岩,第三紀宮良層の石灰岩,および中生代富崎層のチャートなどが複雑に交錯し分布している。先端の北約500mには八重山考古編年第Ⅳ期に属する元崎枝村跡遺跡,さらに西約500mには第Ⅱ期に属する崎枝赤崎遺跡,その南側のサチ浜の砂丘には,第Ⅰ期に属する崎枝赤崎貝塚群がある(県文化財調査報告書22)。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7239579 |