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有津川
【あっつがわ】


沖縄本島北部を流れる河川。河川延長6.10km・流域面積7.09km(^2)。名護市源河南東部,国頭(くにがみ)山地の鞍部に当たる大湿帯と呼ばれる小盆地がある丘陵地帯を源とし,天仁屋北部を東流して有銘(あるめ)湾に注ぐ。両岸には海岸段丘が迫り,峡谷を形成している。河口の有津集落は明治以降の開拓集落で,中頭(なかがみ)郡の泡瀬(沖縄市)方面からの移住者が多かった。かつては良質な木材が搬出され,河口の港は山原(やんばる)船の往来でにぎわったが,交通はほとんど海上交通に依存しており,林業が衰えてからは交通も不便になった。以前は有津から北の東村有銘まで急崖の発達する海岸の磯を干潮時に道として利用していた。近年主要地方道名護国頭線が拡張整備され,交通は飛躍的に改善されている。有津集落の過疎化は著しく,現在は10戸ほどのたたずまいである。有津川はかつて水量も豊富な川でアユも生息していたが,道路工事および上流の山地開発の結果,以前の清流の面影はない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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