ウタラ川
【うたらがわ】

西表(いりおもて)島の北西部を流れる河川。方言ではウタラカーラという。竹富(たけとみ)町上原の西部を西流して浦内川に架かる浦内橋の約700m上流で浦内川に注ぐ。島の南西部の網取湾に注ぐウダラ川としばしば混同される。「八重山嶋由来記」には大田良川原とある（竹原家文書）。上流域のウタラには古くから干立村の水田があり，ウタラは浦内川沿いの水田地名の１つである。沖縄戦前に西表島が炭坑で栄えた時代のウタラには丸三炭鉱の宇多良鉱業所があり，貯炭場，納屋と呼ばれる坑夫の宿舎，野田鉱業主の豪邸や炭坑倶楽部が立ち並んでいた。今もレンガ造りの廃墟や坑夫の墓が残っている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7239927