先島諸島
【さきしましょとう】

琉球諸島の南部に位置する諸島。八重山諸島・宮古諸島からなり，44島を数え，うち有人島は20島である。石垣・平良(ひらら)の両市と八重山・宮古両郡に属する島々の行政上の名称ともいえる。嘉慶２年（1797）に来琉したブロートンの海図には八重山諸島・宮古諸島の両海域にわたる汎称，すなわち先島諸島としてマヂコセマ諸島(Islands of Madjicosemah)とあり，以後来琉した欧米人はこれを踏襲して「バジル・ホール探検記」にはマヂコシマ諸島(Groups of Madicosemah)，ベルチャーの「サマラン号の航海記」ではマジャコ島(Majaco-sima)，「ペリー訪問記」ではマヂコシマ諸島(Majico-Sima Group)と記されている。先島という名称は，古来から沖縄で使用されていたが，先島諸島・先島群島の名称は明治10年代以降のことである。一般に官製の地図や学術用語として明治期から使用されたためか，今日でも沖縄では先島とはいうが，先島諸島という呼び方はない。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7240618