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ホワイト・ビーチ地区
【ほわいとびーちちく】


勝連(かつれん)町に位置する米海軍の基地。港湾施設・宿舎・事務所および貯油施設として使用する。昭和60年3月現在の面積は1.56km(^2)。勝連半島先端の中城(なかぐすく)湾側を占め,勝連半島南岸から津堅島・浜比嘉島に及ぶ水域と勝連半島東方の合わせて323.7km(^2)の水域を使用する。第2次大戦中は日本軍の駐屯地であったが,昭和20年4月米軍の沖縄占領と同時に使用開始された。勝連城跡下の平坦地にセクソンベースと呼ばれた米軍資材置場が建ち,白砂が続くヒッチャバマ(平敷屋浜)には輸送艦船が接岸する埠頭ができるなど軍港および関連施設が建設され,平敷屋の一部は軍港後背地として接収された。沖縄本島各基地への弾薬・軍需物資の搬出入,艦船への燃料補給,さらに原子力潜水艦の寄港地として使用され,昭和35年には核戦略の一環として8基のメースB基地が建設された。昭和47年の復帰前まではホワイト・ビーチ港海軍施設,勝連半島陸軍地区,ホワイト・ビーチ貯油施設,嘉手納(かでな)第2サイト(メースB基地),西原第2陸軍補助施設の5施設に区分されていたが,復帰に伴いホワイト・ビーチ地区として1つの施設に整備・統合された。メースB基地は撤去され,ホワイト・ビーチ港海軍施設の一部と西原第2陸軍補助施設は海上自衛隊および陸上自衛隊が引き継ぎ,桟橋の一部も日米が共同使用している。海岸部には長さ850m・幅24mのA桟橋と長さ450m・幅24mのB桟橋,北西部の県道8号沿いには米陸軍沖縄支援部隊管理の燃料補給タンクが11基ある。このほかに兵員の保養のための宿泊施設,プールやテニスコートなどのレクリエーション施設がある。管理部隊は在沖米国艦隊活動司令部海軍航空施設隊。西太平洋・インド洋全域を担当区域とする第7艦隊の兵站支援港として主に使用されており,また原子力潜水艦寄港地としても重要な役割を果たしている。原子力潜水艦の沖縄寄港はベトナム戦争が始まってまもない昭和38年頃からといわれるが,同43年から同47年の復帰前までに55回を数えた。そのうち46回がホワイト・ビーチ地区,9回が那覇軍港(現那覇港湾施設)への寄港である。復帰後は18回で,すべてホワイト・ビーチ地区への寄港である。昭和43年,那覇軍港で放射能のコバルト60が検出されて問題となって以来,那覇軍港への原子力潜水艦の寄港はなく,ホワイト・ビーチ地区を基地にしている。原子力潜水艦の寄港は,現在でも核搭載の疑惑や放射能汚染の不安を県民に与えている。施設内には科学技術庁の放射能測定施設がある(沖縄の米軍基地ほか)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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