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楢葉郡


慶長7年岩城氏が羽後(秋田県)亀田に移封して後に鳥居氏が入封し,磐城平藩領となった。郡内の所領は元和8年に28か村1万4,602石余,延宝年間には34か村2万6,975石余。延享4年幕府領となり,小名浜代官所支配。安永4年仙台藩預り地となるが,同6年には再び小名浜代官所支配となる。以後,一部に寛政元年越後新発田藩分領(7か村5,487石余)となるのをはじめ,棚倉藩分領にもなり,また幕府領も桑折【こおり】・川俣【かわまた】・塙【はなわ】などの代官所の支配をうけたこともある。「旧高旧領」によれば,明治初年の所領構成は,幕府領20か村1万2,516石余,棚倉藩分領15か村1万2,503石余,下総多古藩分領7か村5,546石余。村数・村高総計は,文禄4年の検地高目録では25か村・1万246石余,元禄年間には92か村2万7,425石余,天保年間には38か村・3万1,117石余,明治初年には42か村・3万754石余。天文3年には磐城平藩領民数万人が年貢諸役の増徴に反対して城下に押しよせた大一揆が起こっている。太平洋岸の村々では漁業が,山地では林業が盛んであった。明治元年磐城国に所属。磐前県を経て明治9年福島県に所属。




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「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7269352