100辞書・辞典一括検索

JLogos

18

天塩炭礦鉄道
【てしおたんこうてつどう】


留萌(るもい)市と留萌地方小平(おびら)町を結んだ鉄道。天塩炭礦鉄道が経営した。留萌(るもい)本線留萌駅(留萌市)と達布(たつぷ)駅(小平町)を結び,天鉄(てんてつ)と通称された。延長25.4km,駅数6,乗降場3。昭和17年全線開通,同42年廃止。小平町東部の小平蘂(おびらしべ)炭田は,明治期から知られた。昭和12年の日中戦争勃発で,政府は石炭液化による人造石油の製造を企画し,その原料採掘と木材搬出を兼ね,鉱区所有者の北海道炭礦汽船株式会社(通称北炭)と帝室林野局の共同出資により,昭和13年天塩鉄道株式会社が設立された。鉄道は昭和16年一部開通,同17年8月全通した。一方,採炭は昭和15年から北炭天塩鉱によりなされ,同18年の生産をピークに,同19年以後急速に出炭量が低下し,同26年閉山した。天鉄は鉄道事業を維持するため,同年石炭部を設立し,北炭の事業を継承した。昭和34年には社名も天塩炭礦鉄道株式会社と改称したが,生産は逐年低下し,昭和35年頃から鉄道と石炭の両部門で赤字に転落した。経営改善策として昭和36年からバス事業に進出したが,同42年7月鉄道・石炭両部門を廃止した。なお,同社のバス部門は,昭和43年てんてつバス株式会社となり,現在も地域交通に貢献している(小平町史・天塩炭礦鉄道十五年史)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7600290