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湘南平
【しょうなんだいら】


古くは泡多羅山と呼ばれた(新編相模)。また泡垂山・泡波多羅山とも書かれたという。江戸期以後は千畳敷山・千畳敷と呼ばれた。中郡大磯町と平塚市万田の境にある山。大磯丘陵東部にあり,浅間山・高麗山に連なる。頂上は広い平坦面をなす。標高約170m。湘南平の名は平塚市の自然公園とされたときに,湘南に誇る高台という意味で名づけられた。「新編相模」には「泡多羅山の一嶺を立野山と名づく,名所なり。宗祇法師の名所千句〈霧迷うこゆるぎの磯の帰るさに 荒く立野の山風もうし〉,夫木和歌抄〈相模なる立野の山のたちまちに 君に逢んと思はざりしを〉」とある。サクラの名所としても有名で,千畳敷山・千畳敷の名は頂上が平坦状でサクラの木が多く,観光に適していたことにちなむという。第2次大戦当時には旧陸軍の高射砲陣地がつくられた。現在では頂上からの景観がよいところから,自然公園として市民の憩いの場となっている。この山の地層は,新第三紀中新世の高麗山層群で,主に暗緑色の粗粒凝灰岩からなる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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