札立峠
【ふだたてとうげ】

海草郡野上町と有田(ありだ)郡清水町との境にある峠。長峰山脈の鞍部で，生石高原県立自然公園の入口に位置する。標高586m。峠道は，野上町の梅本・中田を経由して清水町への主要街道（竜神街道）が通っていた。昭和11年県道三田生石口停車場線の改修で，峠の約700mの所に新札立峠ができたため，旧道になり，鬱蒼とした杉林の中に，その痕跡をとどめている。峠は郡境にあったため，もとここに関所的な役所があり，また交通案内的な立札のあったことが，峠名の由来といわれる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7605522