川辺橋
【かわべばし】

高梁(たかはし)川に架かる橋。吉備郡真備(まび)町川辺と都窪郡清音村上中島を結ぶ。主要地方道倉敷井原線が通る。長さ458m,幅7.0m。トラス橋で,上部工は鋼,床版はコンクリート。往復2車線の車道橋。現在の橋は昭和52年11月に竣工した。その南,約80mの地点にある以前の川辺橋は昭和8年に建設されているが,新橋開通後は自転車道と歩道に使用されている。橋の両端には,清音駅前に形成された集落と,宿場町時代の名残も見える川辺集落がある程度であったが,昭和30年代の高度経済成長期に入り,水島工業地帯の発展や県南諸都市の人口急増に伴い,真備町も宅地化が進行し,交通量が増加したため,新橋の建設が実現した。もともと,この位置は旧山陽道と高梁川が交差する古来からの要衝で,律令時代の大路の河辺駅,近世には参勤交代で川辺宿が繁栄したが,渡河は船に依存してきた。最初の橋は,明治5年に完成した河原と河原を渡す板橋で,洪水のたびに被害を受けた。大正8年に木の橋桁と欄干による土橋が県下第1位の長橋として完成したが今はない。大正14年高梁川大改修工事終了後,昭和8年に竣工したのが今残る旧橋である。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7605886 |