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夫婦浦
【めおとうら】


シートウウラともいった(日向地誌)。県南部,串間市・南那珂郡南郷町にまたがり,陸繋島銅島を湾の中央に抱いた2つの湾入。日南海岸国定公園に属する。湾口は約750m,銅島を挟んで北側が夫婦浦湾。南側が小夫婦浦湾。地名の由来は,2つ並んだ湾を夫婦に見たてたもの。「日向地誌」には「本村(熱波(にえなみ)村)ノ南市木村ニアリ 東西凡十町南北二町許 人家四戸」と記されている。かつて道路は銅島で跡絶え,山肌が海まで迫る小夫婦浦から南へは行けなかったが,昭和45年主要地方道日南都井線が開通,同年7月に日南海中公園の指定を受けている。県は一帯を昭和48年,魚の公園に選定し,湾内ではタイの養殖も行われる。夫婦浦は地質的に,新生代第三紀宮崎層群の砂岩の岩石からなり,その西側は宮崎層群(3,000万~700万年前)の基底礫岩からなり,日南市油津地区から市木浦まで続く屈曲に富んだ海岸線と島嶼群の一部をなす。北部の南郷町贄波(にえなみ)には第1種漁港があり,第2次大戦中の人間魚雷回天記念碑がたっている。なお,小夫婦浦湾は日南海岸国定公園中の日南地区6か所の海中公園の1つである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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