クラウン・ジュエル
【くらうんじゅえる】
Crown Jewel
クラウン・ジュエルとは、敵対的買収を仕掛けられた際に、対象会社が自社の重要な資産(子会社や主力事業など)を譲渡することによって、買収する意味を無にし、敵対的買収を断念させることを目的とする対抗措置のことをいう。大規模に行うものを焦土作戦(Scorched Earth Defense)ともいう。重要な資産の譲渡は、取締役会決議があれば可能であり、株主総会の決議は不要であることから、対抗措置として簡易な方法である。しかし、会社にとって重要な資産を譲渡したことが、取締役自身の支配権維持目的でなされ、それにより会社に損害を与えたと認められる場合には、取締役の善管注意義務違反・忠実義務違反による損害賠償責任が問題となりうる。なお、クラウン・ジュエル(焦土作戦)と焦土化経営とは別概念である。焦土化経営とは、買収者が、対象会社の知的財産権、ノウハウ、企業秘密情報、主要取引先および顧客等を、当該買収者やそのグループ会社等に移転させることにより、買収者が利益を得ることをいう。
【参照キーワード】
→敵対的買収
→買収防衛策
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| 日経BP社 「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」 JLogosID : 8518151 |