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CDM/JI
【しーでぃーえむ;じぇいあい】


Clean Development Mechanism/Joint Implementation

先進国が技術や資金を提供し、発展途上国と協力して温暖化ガスの削減事業を進め、途上国で削減した量を先進国の目標達成に算入できる制度をCDM(クリーン開発メカニズム)という。削減した量に基づいて排出枠(CER)を発行し、取引する。先進国が途上国の持続可能な開発を支援することで、温暖化ガスの削減や吸収も狙う。
1997年12月、国連気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)で京都議定書が合意された。CDMはその中で導入した京都メカニズムの1つである。先進国から途上国に対する省エネ技術や資金などの移転促進も目的としている。その後、2001年11月にモロッコで開催された国連気候変動枠組み条約第7回締約国会議(COP7)でCDMの運用や管理を担当するCDM理事会が国連に設置され、運用ルールを決めた。CDM理事会による登録が済んだプロジェクトは、10年12月までに2620件に上る。日本政府が承認し、CDM理事会が登録したCDMプロジェクトは、10年12月時点で360件に達した。
07年12月、京都議定書の第3回締約国会議(COP/MOP3)と国連気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13)がインドネシアのバリ島で開かれた。CDMの申請案件数が増加傾向にあるため、制度運営の透明性や効率性の向上などを決めた。また、二酸化炭素隔離貯留(CCS)技術のCDMは議論を続けることを決定した。
JI(共同実施)も同じく京都メカニズムの1つ。温暖化ガスの排出削減などの事業を先進国同士が共同で実施する。その結果生じた排出枠(ERU)を、事業を実施した国が投資した国に排出枠として分け与える制度である。削減数値目標が定められた先進国間での排出枠の取得や移転で、先進国全体の排出枠の量は変わらない。日本が承認したJIプロジェクトは、10年10月時点で45件ある。




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「プロフェッショナル用語辞典 環境テクノロジー」
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