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ISO14001
【あいえすおーいちまんよんせんいち;あいそいちまんよんせんいち;いそ】


民間の国際組織である国際標準化機構(ISO、本部スイス)が定めたISO14000シリーズの中核となる規格。環境マネジメントシステムの仕様を定めた規格で、1996年9月に発行した。
策定の背景には、国際商工会議所(ICC)やEU(欧州連合)などで、事業者の環境マネジメントシステムの構築を必要と考えていたことがある。92年6月の国連環境開発会議(地球サミット)で採択した「アジェンダ21」も、持続可能な開発のために民間企業など多様な主体の参加を求めていた。
ISO14001は、ISO規格に沿って環境マネジメントシステムを構築する時に守るべき事項を定める。その基本構造が、「PDCAサイクル」である。①方針・計画(Plan)、②実施と運用(Do)、③点検および是正処置(Check)、④経営層による見直し(Action)の4つのプロセスを繰り返し実施して、システムを継続的に改善する。トップダウン型の管理を想定し、方針策定などに経営責任者の関与を求めている。
事業者がISO14001による環境マネジメントシステムを構築した場合、これを自ら宣言する(自己宣言)か、外部の機関から第三者認証を受けることができる。日本では、日本適合性認定協会(JAB)が民間の審査登録機関を認定し、審査登録機関が個々の事業所を審査する仕組み。JABによると、日本のISO14001の審査登録件数は2011年3月1日時点で2万182件だ。一方、取得した企業には「成果が見えにくい」「従業員の意識向上につながらない」といった不満を抱えているところもある。
ISO14001は04年に改訂され、法的要求事項などの順守を強化した。ISO9001との両立性や整合性も図った。ISO9001を同時に取得して一本化する、「統合認証」を取得する企業も多い。ISO14001の次期改訂は、15年ごろに他の規格と同時に行われる予定。ISO14000シリーズには、ほかに環境監査や環境パフォーマンス評価、環境ラベルLCA(ライフサイクルアセスメント)などの規格がある。




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「プロフェッショナル用語辞典 環境テクノロジー」
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