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PEN樹脂
【ぴーいーえぬじゅし】


PolyEthylene Naphthalate plastics

PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂は、ナフタレン2,6-ジカルボン酸ジメチルエステル(NDC)とエチレングリコール(EG)を重縮合して合成される熱可塑性ポリエステル。正式名は、ポリエチレン2,6-ナフタレート。同じ熱可塑性ポリエステルであるPET(ポリエチレンテレフタレート)が、ベンゼン環が1つのテレフタル酸を使っているのに対して、ベンゼン環が2つ連結したナフタレン環の骨格を持っているために、PETに比べて剛直性が高く機械的な特性や耐熱性に優れることからワンランク上の樹脂として位置付けられている。
PEN樹脂の最も一般的な用途は、溶融延伸したフィルムによる電子部材である。この分野ではPETフィルムが多用されているが、PETフィルムに比べて高剛性であることから薄肉化できるなどのメリットがあり、液晶パネルの輝度向上フィルム、耐熱コンデンサ、スピーカ振動板などに普及してきた。射出、押し出し、ブローなどの成形品分野では、飲料用のボトル向けの用途開拓が進んでいる。特に、PETボトルに比べ、内容物が樹脂に吸着しにくく、酸素などのバリヤ性に優れるという特徴が評価されて、リターナブルタイプのビール用ボトルなどで採用例が増えてきている。




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日経BP社
「プロフェッショナル用語辞典 環境テクノロジー」
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