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LED照明
【えるいーでぃーしょうめい】


Light Emitting Diode lamp

LED(発光ダイオード)は、電気を通すと発光する性質を持つ半導体の総称で、白熱電球や蛍光灯とは違うメカニズムで発光する。“球切れ”のない半導体素子であり、長寿命と省エネルギーの光源として多用途での利用が期待されている。
経済産業省は全国の交通信号機約192万灯のうち、180万灯の交通信号機をLED照明化した場合の消費電力抑制効果を、原油換算にして年間21万キロリットルに達すると試算する。政府は2010年6月に閣議決定した「エネルギー基本計画」で、LED照明を含む高効率次世代照明を20年までにフローで100%、30年までにストックで100%普及させることを目指すとした。
LED照明は白熱電球や蛍光灯に比べ高価なのがネックだったが、急速に低価格化が進んでいる。08年には1個1万円程度だったものが、10年には3分の1以下になっているケースもある。市場も急速に伸びており、10年は金額で08年の5倍程度に拡大した。オフィスで広く用いる直管形蛍光灯の代替となる直管形LED照明は、10年10月に日本電球工業会が規格を策定したのを受けて、大手メーカーが相次いで市場に参入した。
LEDは3層構造の半導体に電圧をかけ、電気エネルギーから光子を発生させる仕組み。この半導体素子(0.3ミリメートル角程度)を電子基板の上に設置し、直流電流を流す構造だ。LED素子をエポキシ樹脂製のレンズで包んだものをLEDと呼ぶ。
LEDは白熱灯やハロゲンランプなどと違い、発光に伴う放射熱が発生しない。単体の出力も、赤色の約1.4ボルト(V)から白色の3.5Vという低電圧で高照度が得られるため、「LEDは発熱しない」と誤解されやすいが、光子として放出されない電気エネルギーは熱となる。単体のLEDは20~50ミリアンペア程度と電流が少なく発熱も少ないが、大型ディスプレイなどLEDを集積させると熱エネルギーも増える。5V以上の高出力LEDは発熱量も多くなり、排熱対策も必要だ。




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日経BP社
「プロフェッショナル用語辞典 環境テクノロジー」
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