環境テクノロジー辞典 テクノロジー 46 LEDバックライト【えるいーでぃーばっくらいと】 LED backlight LEDバックライトは、液晶パネルの光源にLEDを用いたもの。光源が冷陰極蛍光管(CCFL)である場合に比べて、薄型化や表示性能の向上、低消費電力化を図れる。携帯電話機ではほぼすべてがLEDバックライトを使い、ノートパソコンや液晶モニター、液晶テレビでの採用も進んでいる。LEDは CCFLのように水銀(Hg)を含まないため、環境対応をアピールすることも可能だ。現在、液晶テレビではLEDバックライト搭載機が本格的な普及期に入り、テレビメーカーが新機種投入を急いでいる。中でも、LEDバックライトを搭載する液晶テレビの拡販に力を入れるのが、サムスン電子である。同社は、LEDバックライト搭載の液晶テレビを「LED TV」と命名し、従来とは異なる製品と位置付けている。LEDバックライトは、その配置部分で「エッジライト型」と「直下型」に分類される。それぞれが実現できる性能は一長一短だ。エッジライト型は、液晶パネルの側面に白色LEDを配置し、反射板や導光板を用いてパネル全体を照射する。薄型化に適しており、厚さが10ミリメートル(mm)前後である液晶テレビはエッジライト型を採用する。たとえばソニーは、2008年8月に40型で最薄9.9mmの「BRAVIAZX1」シリーズを、2009 年9月に52型で最薄16.6mmの「ZX5」シリーズを発表した。消費電力は52型品が254Wであり、CCFLを用いた「W5」シリーズの52型品の 305Wよりも低い。開発例ではさらに薄型化が進んでおり、サムスン電子が厚さ3.9mmの40型液晶ディスプレイを2009年10月に、LGディスプレイは2.6mmの42型液晶ディスプレイを2009年12月にそれぞれ発表した。直下型は白色または赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色のLEDを液晶パネルの背後に多数配置する。液晶パネルに表示する映像に合わせ、LEDの輝度を領域ごとに制御すると、コントラスト比を高められる。RGB3色のLEDを使用すれば、色再現範囲の拡大が可能だ。たとえば、RGB3色のLEDバックライトを採用するシャープの「AQUOS XS」シリーズは、コントラスト比が100万対1、色再現範囲がNTSC規格比で150 %と高い。搭載するバックライトは、RGGBの4個のLEDを1つのユニットとし、1000以上の領域に分けて輝度を制御する。 (c)日経BP社 2011 日経BP社「プロフェッショナル用語辞典 環境テクノロジー」JLogosID : 8523634