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阿亀
【おかめ】


okame

【江戸時代】顔は両頬が高く四角張って、鼻は低い、醜女の俗称。また、その仮面。〈おふく{おふく}・おたふく{おたふく@おたふく(阿多福)}〉と同じ。しばしば、〈おかめ、ひょっとこ{ひょっとこ}〉と並べていう。[中国語]臉胖鼻窪的丑女。round faced woman, plain woman.

【語源解説】
太(だい)神楽(かぐら)(代神楽)の仮面を人に移して俗称したのであろう。あるいはカメという名の女が醜女で、それが一般的になったか。これは〈亀〉をあてる点、亀の長寿にあやかって、長く下働きできる願いをこめての命名であろう。〈オカメ、ヒョットコ(火吹(ひふ)き男(おとこ))〉と対で用いるように、男女ともに滑稽味をもつ点も配慮していよう。

【用例文】
○とんだお亀(かめ)女(ぢょ)郎(ろ)〔器量のわるい女郎〕だ(浮世風呂)○島田も丸髷も太神楽のお亀のやうに(滑稽本)○およしをかたづけお亀〔人名〕にむこをとり/おかめ団子がさよ姫になる日増(川柳)○江戸おもちゃ……ひょっとこ、お亀(かめ)の仮面(めん)の如きは神楽に取れるなり(東京風俗志)○おかめ{阿亀}(一)おふくト同ジモノ(二)転ジテ、おふくノヤウナ丸ポチャノ顔=スベタ=トリノマチ=ウレノコリ=オタフク(三)又、転ジテ、スベテ、ミニクイ顔ノ女(日本大辞書)⇒〈おたふく〉




東京書籍
「語源海」
JLogosID : 8537260