阿
【おもねる】

omoneru
【古代】へつらう、こびる、人に気にいられるように相手の様子をうかがう。[中国語]奉承。flatter.
【語源解説】
オモ・ネル→オモネルで、面(おも)(顔)練(ね)ルの意。手厚くもてなして親しみを示す。さらにはいかにも相手にとり入るよう、あれこれとらしき顔付きをすること。古く〈付(フ)和(ワ)雷(ライ)同(ドウ){ふわらいどう@付(フ)和(ワ)雷(ライ)同(ドウ)}〉の雷同をオモネリゴトにあてる。
【用例文】
○佞(オモネリ)媚(コビ)(紀mini{〈神代〉inhibitglue})○祭ノ食ヲ見テみるめん(オモネ)リ就(ツ)キテ受ク(霊異記)○阿容mini{オモネル}、阿mini{ヲモネル}(名義抄)○Vomoneru. ヲモネル 1)手厚くもてなし親しみを示す。2)人に迎合し調子をあわせる(日葡辞書)○阿(オモネル)(易節用集)○雷同(ヲモネリゴト)、阿(ヲモネル)、便僻(同)(書言字考)○おもねる 神代紀に佞、又順をよみ又阿をよめり、面練の義、令色の意成べし(倭訓栞)○オモネル 阿諛 To flatter. ヘツラウ、コビル(ヘボン)
【補説】
〈面(オモ)無(ナ)し{おもなし@面無し}(厚かましい)・面(オモ)嫌(キラ)ひ{おもきらひ@面嫌ひ}(人みしり)〉(源氏物語)など古くから〈面〉の複合語がみられる。ただしオモネルは『源氏物語』など、物語系のものにはみえない。〈阿〉は〈曲学阿世〉の阿と同じ。⇒〈へつらう〉

![]() | 東京書籍 「語源海」 JLogosID : 8537326 |




