替え玉
【かえだま】

kaedama
【江戸時代】〈玉(たま)〉のみでも。1)本物のようにみせかけて、それに代わる偽(にせ)物(もの)。2)本人に代わって別のものを出すこと、またその人。大学受験での替え玉など。[中国語]替身。dummy, substitute.
【語源解説】
カエダマのタマは魂(たましい)の意で、省略形。〈玉(タマ){たま@玉(タマ)}〉とあてた。他に〈悪玉{あくだま@悪玉}・善玉{ぜんだま@善玉}〉があり、悪い魂をもつ人が悪玉、善い魂をもつ人が善玉で、やがて玉が人を意味することにうつり、善人、悪人などをさす。江戸の民間学、心学から出た言い方。
【用例文】
○悪(あく)魂(たましい)、善(よき)魂(たましい)(心学早染草)○普請ばっかりで〔いいだけで〕玉(たま)が能くねへ(洒落本)○替玉さなぞと持参のおくり膳(川柳)○無(む)疵(きず)な美女(たま)が二人(ふたり)とは近頃稀(まれ)な大仕合せ(人情本)○架空の有権者名簿を作った替玉投票(新聞)
【補説】
江戸後期から、〈替玉〉の表記でみられる。

![]() | 東京書籍 「語源海」 JLogosID : 8537351 |