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骰子・賽子
【さいころ】


saikoro

【古代】サイ{サイ}が正式名。雙(すご)六(ろく)やばくちなどに用いる戯具の一つ。象牙また鹿角などで作製。[中国語]骰子。dice.

【語源解説】
中国のバクチに〈樗蒲(チョボ)子〉があり、烏賊(いか)の甲に似た木製楕円形の小道具を用いたが、これには采(彩)色(色どり)が施されていた(樗はオウチ、蒲はカワヤナギといずれも植物)。そこでサイコロを〈采(サイ)〉とよぶようになった。日本では古代カリウチ{カリウチ}といった。『和名類聚抄』に〈樗蒲一名九采、mini{和名、加(カ)利(リ)宇(ウ)知(チ)}〉(樗蒲はチョボ、日本ではカリ)とあり、ウチはバクチを打ツの意。のちチョボ・チョボイチといい、バクチを意味するようになった。日本では采(サイ)はサエと訛っても用いた。俗にいう〈サイコロ〉のコロはコロコロころがる擬態語のコロ。ただしサイコロは江戸語。サイはのち同音の〈{たけさい}〉、さらに〈賽〉を用いた。1444年成立の『下学集』に〈たけさい(サイ)、采mini{二字ノ義同シ、博奕(バクエキ)ニ{てへんつおんな)(モト)ムル所也}〉とみえる。

【用例文】
○一二の目のみにあらず五六三四さへありけり双六の佐(サ)叡(エ)(万)○双六采 mini{双六乃佐(サ)以(イ)}(和名抄)○双六うつときのことばにも、明石の尼君、明石の尼君とぞさいはこひける(源氏)○敵のさいを〔よき目のでぬように〕こひせめてとみにもいれねば(枕)○骰(サ)子(イ)mini{双六之}又{たけさい02)(サイ)、采(同)(運歩色葉集)○{たけさい)(サイ) mini{双六}(易節用集)○さかづきを見て酒を思ひ。{たけさい)(さい)をとれば攤(すごろく)うたんことをおもふ(好色破邪顕正)○{たけさい)(さい)(早節用集)○骰子(さい)振(ふり)(譬喩尽)○骰子(さい)mini{双六の}、采(同) 一名、梟(きょう)盧(ろ)(いろは節用)○サイ 骰子 dice. サイヲナゲル(ヘボン)
【補説】
慣用句〈骰子(さい)は投げられた{さいはなげられた@骰子(さい)は投げられた}〉(ことここに至り、断行するのみ)は古代ローマ時代、カイザー(シーザー)が兵をひきいてルビコン河を越えんとするとき、英語になおすと、The die is cast. と叫んだ故事によるという。




東京書籍
「語源海」
JLogosID : 8537565