雨々・潸然
【さめざめ】

samezame
【古代】涙を流してなくさま。漢語で〈潸(サン)然(ゼン)〉。[中国語]潸潸。bitterly.
【語源解説】
〈さめざめと〉と〈と〉をとる語形が一般的。譬喩表現から創作。〈小(さ)雨(め)小(さ)雨(め)→さめざめ〉と創られた語。雨は〈雨しづくと泣きて/雨やさめと泣き〉など、〈なく〉と関連して雨が譬喩的に用いられることが多い。
【用例文】
○これみればあはれに悲しきぞとてさめざめと泣きたまふ(更級)○鶯の春さめざめとなきゐたる竹のしづくや涙なるらむ(西行)○サメサメト泣(今昔)○袖をかほにおしあてゝさめざめとぞ泣きゐたる(平家)○桜のめでたくさきたりけるに、風のはげしく吹けるをみて、この児(ちご)さめざめと鳴(な)ける(宇治拾)○頼うだ人のお帰りなされたならば、さめざめと泣いてゐよう(狂言)○Same zame. サメザメ ひどく泣くさま、泪(なみだ)がつぎからつぎへとすじを引いて流れるさま。サメザメトナク(日葡辞書)○三番叟の時さめざめとなく、見る人是は何事にや(醒睡笑)○雨(さめ)々(ざめ)(早節用集)○淫(さめ)々(ざめ)mini{涙下皃}、雨(同)々mini{盛衰記}(いろは節用)○サメザメ 潸然 サメザメトナク(ヘボン)○私が身位かなしい物はあるまいと思ひますとてさめざめとする(樋口一葉)○遂に潸々(さめざめ)と泣出した(二葉亭四迷)
【補説】
現代では〈さめざめとなく〉という慣用句に限定されるようである。

![]() | 東京書籍 「語源海」 JLogosID : 8537591 |




