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三拍子
【さんびょうし】


sanby^{o}si

【江戸時代】現代語では〈三拍子揃(そろ)う〉の句形式で主として用いる。三種の条件がすべてそろうこと。結局はすべての条件が完備すること。[中国語]三種条件。all-round

【語源解説】
三拍子とは音曲にあって、小鼓、大鼓、太鼓(または笛)など三種の楽器で拍子をとること。転じて三拍子揃うで三種の楽器の拍子が整うこと。転じて、才能・人格・富、容貌・才能・弁舌、人物・財産・家柄など三つの条件がすべてそろっていることの譬喩的言い方。つまるところはすべての条件をそなえていることになる。

【用例文】
○今の舞台を踏程の子は千(せん)人にひとりなり。形見(かたち)よけれども心うとし。あるひはかしこくて芸(げい)にならず。三拍(びゃう)子(し)に揃(そろ)ひかね親かた〔親方〕たふし(西鶴)○三拍子揃って息子身が持てず(川柳)○〔寝(ね)小(せう)便(べん)、大(おほ)酒(ざけッ)食(くら)ひ、大(おほ)飯(めし)食(くら)ひと〕三(さん)拍(びゃう)子(し)揃(そろ)った(浮世床)
【補説】
はじめは音曲・舞台関係に限定して用いられ、〈三拍子に揃う〉と助詞のニをとる表現で用いた。現代では派生的意味用法のみ。〈飲む・うつ・買うの三拍子〉など悪い意味でも用いる。




東京書籍
「語源海」
JLogosID : 8537605