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どさ回り
【どさまわり】


dosa mawari

【江戸時代】〈地(ぢ)回(まわ)り{ぢまわり@地(ぢ)回(まわ)り}〉とも。地方回りの劇団や芸能人などが地方の興行をすることをいう。[中国語]在地方巡回演出。barnstorming.

【語源解説】
ドサは地方、田舎の意。これは品がなく洗練されず、太くこもった声に、〈胴(どう)声(ごゑ)〉とか〈胴(どう)満(ま)声(ごゑ)・胴(どう)間(ま)声(ごゑ)―{2}めいめい胴(どう)間(ま)声(ごゑ)を出して何か唄(うた)ひ始めた〉(坊っちゃん)などがあり、さらに訛って、〈どさごゑ→どさことば〔方言、地方訛り〕〉―{2}朝(あした)にどさことばを笑はれた下女(滑稽本)―{2}と転用の言い方ができた。したがってドサは品がない、低級などの意をもつところから転じて田舎を意味し、やがて〈どさ回り〉の言い方もできた。また、〈胴声〉の胴は鼓(つづみ)の胴をさす。これは中空で音がこもり、太くにぶく響くわけで、それを人声にも転用したのである。

【用例文】
○どさまわりの浪花節語り(国語辞典)
【補説】
明治期にはいっての表現か。地方の一代表として、〈佐渡(さど)〉を採択し、逆(さか)さことば{さかさことば@逆(さか)さことば(逆(さかさ)詞(ことば))}で〈ドサ〉としたところからと公表した私見は改正する。




東京書籍
「語源海」
JLogosID : 8537866