100辞書・辞典一括検索

JLogos

33

若気る・弱気る
【にやける】


niyakeru

【江戸時代】男のいかにも柔弱で女のような振る舞いや言動をすること。[中国語]変柔弱。be namby-pamby.

【語源解説】
〈若(にゃく)気(け)〉の動詞化。若は〈若(ニャク)道(ドウ)(男色)・若(ニャク)族(ゾク)(若者)(易節用集)〉などの熟語もあるように、男色(sodmy)と関係する語。〈弱気〉ともあてるように、美少年やそのように色白で、まるで女のような風姿をもつもののこと。さらに、そうした振る舞いや様子をニヤケル、ニヤケテイルと表現した。

【用例文】
○若(ニャク)道(ダウ) 若(ニャク)気(ケ)(運歩色葉集)○ながなが其地に御とうりうにて此ころはおにやけ〔男色の対象〕にかつえ申(きのふは)○若弱(ニヤケル)(書言字考)○男子の容貌の婦人の如くなるをにやけたりと云ふは若(ニャク)気(ケ)の字音なり。本は男色の少人〔少年〕を若気と称せしより転(てんじ)たりしなるべし(海録)○男子ノ優ニ過テ更ニ無{レ}勇者ヲ生垂ト云 ナマタレト訓ス又ハナマタレテルト云 江戸ニテハ「ニヤケ」ト云、弱気ナル歟、ニヤケタ人ナド云フ(守貞謾稿)○あのおしゃんす事はいなと、弱気(にやけ)た言(ことば)(浮世風呂)○もっぱらにやけをむねとして地紙うり(川柳)○今ニヤケ男などいふは男娼(にやけ)めきたる男のよし也(松屋筆記)○ニヤケルmini{〈俗語〉}effeminate〔柔弱〕 振舞い様子が女のようである(ヘボン)○兎角にやけたがる金(きん)縁(ぶち)の眼鏡(広津柳浪)○嬌(にや)治(け)た男らしくない(小杉天外)




東京書籍
「語源海」
JLogosID : 8537925