事業譲渡
【じぎょうじょうと】
Assignment of Business
会社の事業の全部または一部を他社に譲渡するM&Aの一手法をいう。法的な定義については争いがあるが、旧商法下の判例によれば、一定の営業目的のために組織化され、有機的一体として機能する財産の全部または重要な一部を譲渡し、これによって、譲渡会社がその財産によって営んでいた営業活動の全部または重要な一部を譲受人に受け継がせ、譲渡会社がその譲渡の限度に応じ法律上当然に旧商法第25条(会社法第21条)に定める競業避止義務を負う結果を伴うものをいう(最判昭和40年9月22日)。他の組織再編行為と比較して、事業譲渡は、事業に関する債務や契約上の地位を移転するには、契約相手方の個別の承諾を要するという点がデメリットではあるが、対象となる事業のみを切り出して承継させるため、簿外債務の承継の回避が容易となる点、事前および事後の開示義務や労働継承に関する手続(使用者の移動が生じない労働者についての事前協議義務・事前通知義務)でメリットがある。事業譲渡は、事業再生の手法のひとつとしても利用されている。
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| 日経BP社 「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」 JLogosID : 8518203 |