不公正な取引方法
【ふこうせいなとりひきほうほう】
Unfair Trade Practices
独占禁止法第19条、第6条および第8条第1項第5号で禁止されるもので、同第2条第9項各号に定める行為であって、公正な競争を阻害するおそれがあるもののうち、公正取引委員会が指定するものをいう。同第2条第9項各号に定める行為は、&wc1;事業者の差別的取扱い、&wc2;不当対価取引、&wc3;不当な顧客誘引・取引強制、&wc4;不当な拘束条件付取引、&wc5;取引上の地位の不当利用、&wc6;競争者に対する不当な取引妨害・内部干渉である。これらの類型に該当する行為をさらに公正取引委員会が告示の形式による指定で絞り込む。指定にはすべての業種に適用される一般指定と特定の業種に適用される特殊指定の2種類がある。一般指定では、共同の取引拒絶、差別対価、取引条件等の差別取扱い、不当廉売、不当高価購入、ぎまん的顧客誘引、不当な利益による顧客誘引、抱き合わせ販売等、排他条件付取引、再販売価格の拘束、拘束条件付取引、優越的地位の濫用、競争者に対する取引妨害、競争会社に対する内部干渉等16項目が不公正な取引方法として指定されている。不公正な取引方法に対しては、排除措置命令(同第20条)といった行政処分が用意されているが、刑事罰はない。平成21年6月3日に成立した「私的独占の禁止および公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律」により、共同の取引拒絶、差別対価、不当廉売、再販売価格の拘束、優越的地位の濫用が、課徴金の対象になった。
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| 日経BP社 「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」 JLogosID : 8518329 |