経営判断の原則
【けいえいはんだんのげんそく】
Business Judgment Rule
会社の経営にはリスクが伴うものであるから、取締役の経営判断が、会社に損害をもたらす結果を生じたとしても、当該経営判断が合理的な手続に従い誠実に行われた場合には、事後的な判断によって、取締役の善管注意義務違反として責任を問うべきではないという考え方をいう。裁判例においては、多少表現は異なるものの、取締役による経営判断の前提としての事実の認識に不注意な誤りがなかったか否かおよびその事実に基づく行為の選択決定に著しく不合理な点がなかったか否かという観点から審査し、そのような不注意な誤りや不合理がなければ、当該経営判断について取締役としての善管注意義務違反があるとはいえないとするものがある。なお、アメリカにおける経営判断の原則は、取締役と会社との間に利害関係がないことと、取締役の意思決定過程・プロセスに不合理がないことのみを審理し、判断内容の合理性については審理しないため、日本における経営判断の原則とまったくの同一であるというわけではない。
(c)2009 A&A partners/TMI Associates/ Booz&Company(Japan)Inc./ Meiji Yasuda Insurance Company
| 日経BP社 「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」 JLogosID : 8518159 |