自己株式
【じこかぶしき】
Treasury Stock
株式会社が有する自己の株式をいう。会社が自社の株式を取得するとその結果その株式は自己株式となる。金庫株とも言う。平成13年6月の商法改正以前は、自己株式の取得および保有は原則として禁止されていた。禁止の理由としては、以下の理由があげられていた。&wc1;会社債権者の保護のため、&wc2;株主間の平等を図るため、&wc3;会社支配権をめぐる不公正な取引を禁止するため、&wc4;不公正な株式取引を禁止するため。一方で、これらの事由は自己株式の取得の禁止以外の方法である程度は対応することが可能であること、諸外国では既に自己株式の取得を認めていること、持ち合い株式の解消対応に役立つこと等から、経済界から自己株式の取得を原則として認めるよう要望が多かった。そこで、平成13年商法改正により、配当可能利益の範囲内であれば自己株式の取得・保有・消却・処分が自由となった(いわゆる「金庫株の解禁」)。会社法では、自社の株式を取得することは原則自由であるが、一定の自己株式の有償取得の際に株主に対して交付する金銭等の帳簿価額の総額が、取得の効力発生日における分配可能額を超えてはならないという財源規制がある。自己株式については、会社は議決権その他の共益権を行使することはできず、剰余金の配当をすることができない。また、取得した自己株式については、期間の制限なく保有することができ、いつでも消却、処分をすることができる。ただし、自己株式の処分は新株の発行と同様の募集株式の発行の手続が必要となる。
【参照キーワード】
→議決権
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| 日経BP社 「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」 JLogosID : 8518205 |