ダンピング
【だんぴんぐ】
Dumping
貿易取引において、輸入国の国内販売価格よりも安い価格で輸出販売することをいう。また、わが国の独占禁止法において禁止されている不当廉売行為をいう。WTOでは、貿易取引において、輸入国の国内価格よりも安い価格で輸出販売することを「不公正貿易」と位置づけており、輸入国の国内産業が損害を蒙っている場合は当該製品の価格を国内価格まで引き上げるためのダンピング防止税を課すことができる。しかし、このような反ダンピング規制は濫用のおそれがある。例えば、日本やEUのWTOに対する提訴により2000年に協定違反が確定し、その後の日本政府の外国判決の日本における承認・執行の拒絶や日本における対抗立法(損害回復法)の制定等の活動が活発化するまで、米国政府は、1916年アンチ・ダンピング法によりダンピングの被害企業に被害額の3倍の損害賠償請求を認めたり、ダンピングを理由として外国企業に課した関税を被害企業に配分する法律を運用したりしていた。
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| 日経BP社 「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」 JLogosID : 8518271 |