同一性保持権
【どういつせいほじけん】
Right to Preserve Integrity
著作物の題号や内容について他人が勝手に、著作者の意に反して改変することを禁止する権利をいう(著作権法第20条)。プレイヤーが架空の高校生となって高校生活の出来事を通じて能力値を高める恋愛シュミレーションゲームに関し、能力値を定めるパラメータをデータとして収めるメモリーカードにはじめから高い能力値が設定されたものを輸入・販売する行為が問題となった事案において、当該メモリーカードの使用によって原告のゲームのストーリーの改変がもたらされるとして、同一性保持権侵害に基づく損害賠償請求が認められた(ときめきメモリアル事件、最判平成13年2月13日)。個人的な利用の範囲における著作物の改変であっても、同一性保持権の侵害と理論上考える余地がある。ただし、一般的には、改変の具体的な態様およびそれによって害されうる著作者の人格的利益の内容等を勘案して、権利侵害と評価するだけの実質的な違法性が認められる場合に限って同一性保持権の侵害を認めるべきであると考えられている。
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| 日経BP社 「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」 JLogosID : 8518288 |