内部統制
【ないぶとうせい】
Internal Control
適切な会社経営を行うためのリスク管理体制をいう。会社法上、大会社である取締役設置会社においては、取締役の職務の執行が法および定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして、法務省令で定める体制の整備をしなければならない。改正前商法で、委員会等設置会社についてのみ義務付けられていたが、会社法においては大会社に対象が広げられたものである。内部統制システムについては、取締役会で決定しなければならず、取締役に委任することはできない(会社法第362条第5項)。また、金融商品取引法により、有価証券報告書の提出義務を負う会社のうち、金融商品取引所に上場している有価証券の発行者である会社等は、事業年度ごとに、当該会社の属する企業集団および当該会社に係る財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要なものとして、内閣府令で定める体制について記載した報告書(「内部統制報告書」という)を内閣総理大臣に提出しなければならない。平成16年以降有価証券報告書の開示内容の不適正な事案が多発したことから、企業における内部統制の充実を図る必要があるとされた結果、金融商品取引法によって、上場会社等に対して内部統制報告制度が導入された。具体的には、財務報告に係る内部統制の有効性に関する内部統制報告書の提出と、公認会計士または監査法人による監査が義務付けられている。
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| 日経BP社 「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」 JLogosID : 8518299 |